織田信長が威厳に満ちたビロードのマントを羽織っているシーンは、戦国時代劇でよく見ると思います。
ビロードは、16世紀にポルトガルから日本に伝来しました。
戦国武将は鉄砲と同様に、優雅な光沢としなやかな感触のビロードに魅了されたようです。
江戸時代にはビロードの織り方が解明されて、京都の西陣で作られるようになりました。
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優雅な光沢、しなやかな感触が魅力
ビロードは、現在ではベルペットの名で親しまれるパイル(わな)織物です。
パイルの輪をカットして、表面に柔らかい毛羽を立てます。
素材はレーヨンやシルクなど、フゴフメント(長い繊維)糸で織られています。
ベルベットは、昔から和装コートとショールに使われています。
婦大服や子供服では、おしやれ着のスーツやドレスとして人気があります。
同じパイル織物でも、毛足の短い別珍と、縦に畝のあるコーデュロイはコットン素材ですから、カジュアルウエア向きです。
ソフトな肌触りと暖かさが、秋冬のジャケットやパンツに最適です。
最近は伸縮性のあるポリウレタンを混合して、動きやすさと着心地の良さが増しています。
毛羽のある素材は、長時間座っていると表面の毛が倒れて乱れます。
蒸気アイロンを布地の表面から1~2㌢ほど離して、蒸気で毛羽を立たせると風合いが戻ります。
着用後は、柔らかいブラシで毛並みに沿ってホコリを取り、毛足を整えましょう。
ハンガーに掛ける際は、周囲の衣類で毛羽を崩さないように、スペースを空けて収納してください。
スカートやパンツのハンガーには柔らかい布を当てると、布地に挟み跡が付きにくいです。
秋冬は、豊かな表情を持つ素材が楽しめるシーズン。日ごろのお手入れを忘れずにしましょう。