犬や猫をはじめとするペットは、人の心を和ませ、生きる喜びを与えてくれます。
しかし、自分や周囲の状況をよく考えずにペットと暮らし始めると、後で大きな問題を抱えてしまうことにもなりかねません。
そこで、東京都福祉保健局の担当者に、ペットと暮らすときの心構えを聞きました。
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ペットとの生活は楽しいことばかりではありません。
多くの手間や時間、お金がかかるなど、大変なことがたくさんあります。
”とりあえず一緒に暮らしてみよう″といった無責任な理由でペットと暮らし始めてはいけません。
家族全員が賛成しているか アレルギーがある場合は医師の承諾を
都福祉保健局の担当者は「まず、ペットを飼うことを家族全員が賛成しているかが重要です」と、強調します。
ペットと暮らすには家族の理解と協力が不可欠だからです。
誰か一人だけが世話をして、他の人は何もしない、というわけにはいきません。
また、家族の中に、動物に対するアレルギーのある人がいる場合、医師の承諾が必要です。
経済的、時間的余裕が必要 動物を迎えられる状況か確認しよう
また、経済的、時間的に余裕がないと、共に暮らすことは困難です。
動物の一生の世話をするには、餌代や医療費など、多くのお金がかかります。
特に、一人暮らしの人や転勤の可能性がある人、高齢者世帯は動物と暮らせる状況か、よく確認しましょう。
同担当者は「今は飼える状況でも、急な引っ越しを余儀なくされたり、病気などで飼えなくなってしまうことがあるかもしれません。いざというときのために、事前に知り合いや動物病院に相談しておきましょう」と、アドバイスします。
近隣住民とのトラブルに注意 集合佳宅・賃貸住宅は家主の許可も
集合住宅や賃貸住宅に住んでいる人は、管理組合や家主に動物飼育の許可を取ることが必要です。
一緒に暮らせる住宅でも、鳴き声やふん尿の悪臭などが近隣住民とのトラブル原因になるためです。
同担当者は「ペット飼育が可能な場所だからといって、自由に動物を飼っていいとは限りません。近所の人に動物を飼ったことを知らせたり、あいさつを交わすなど、トラブルを未然に防ぐことも大切です」と、注意を促します。
ペットの災害対策は日ごろから
一方、災害が起こったら、被災するのは人間だけではありません。
ペットを守ることも飼い主の責任です。
もちろん、白身の安全確保が第一です。その上で、避難が必要な場合は、できる限りペットと一緒に避難しましょう。
災害時に速やかに避難できるよう避難場所や避難経路の確認、5~7日分の餌、トイレシートなどを日ごろから備えておきましょう。
同担当者は「①犬や猫と一緒に避難する場合、ゲージに嫌がらずに入れる②他人や他の動物を怖がらない③無駄吠えをしない-などの基本的なしつけをしていれば、避難所でもスムーズに受け入れてもらえるでしょう」と話していました。
最後まで責任持って飼育して。都が譲渡PRイベントを開催
都福祉保健局は1日、東京都動物愛護相談センターが実施している譲渡事業を広く知ってもらおうと、東京都江戸川区にある葛西臨海公園で 「犬や猫の譲渡事業PRイベント」を開催しました。
このイベントは、飼い主の病気や死亡といった、やむを得ない理由で引き取った犬猫を譲渡することの利点、飼い主の責任などを考えることが目的。
同イベントでは、犬・猫の譲渡条件や心構えなどのパネル展示のほか、犬を飼うことの素晴らしさと飼い主としての責任を子どもたちに分かりやすく説明するアニメ「犬を飼うってステキです-か?」の上映を行いました。
同局の担当者は「都動物愛護相談センターで譲渡を行っているのは成犬、成猫です。
体が丈夫で、けがや病気の心配も少なく、トイレのしつけができているといったメリットもあります」とした上で、「譲渡を受けたら、再び保護されることのないよう最後まで責任を持って飼育して、人も動物も楽しく過ごしてほしいです」と語っていました。
譲渡を受ける際は、条件や手続きなどが民間団体、自治体によって異なります。誤解やトラブルを避けるためにも、よく話し合い、書面などで確認しておきましょう。