マニキュアやジェルネイルなど、爪を飾ると気分が上がります。
しかし「爪が傷んだ」「すぐ割れる」「二枚爪」「生まれつき爪の形が悪く伸ばせな
い」など爪に悩む人も多いようです。
今回は、美しい自爪づくりの方法をご紹介します。
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誰もがなり得る「化学物質過敏症」
■大阪と東京にサロンを開業。 ネイリストとして活動する中で、体に異変が!
開業から10年後の2003年、まず最初に、今まで使っていた化粧水が痛くて塗れなくな
ったんです。
匂いを異常に強く感じ、新聞や雑誌もインクが揮発している感じがして気持ち悪くて。
高山病になったような息苦しさが襲ってきて、頭痛、めまいも。
まぶたは腫れて垂れ下がってきました。
どの病院で検査を受けても原因不明で、住宅メーカー勤務でシックハウス症候群に詳しいお
客さまが、私を見るなり北里研究所病院を勧めてくださり、そこで初めて「化学物質過敏症」
と診断されました。
■どのような病気?
私の場合はサロンで使用するネイルカラーに含まれている、揮発する有機溶剤が原因でし
た。
―日約8時間、10年以上ほぼ毎日、体に取り込んでいたんです。職業病です。
化学物質過敏症は誰でもなり得る病気で、原因となる化学物質と許容限度は人それぞれです
が、許容限度を超えると発症するそうです。
診断される前は防毒マスクをかぶったり、1台30万円の吸引器を2台使ったりして仕事をし
ていました。
でも医師から
「一生治らない。今すぐ有機溶剤が揮発する所から離れるように。浴び続けると神経だけでなく免疫にも影響が出るかもしれない」
と言われ、一体どんなことになるのか想像できませんでしたが、寿命が短くなるのかなと
思いました。
■有機溶剤から離れるよう言われても……。
初めは難しかった色塗りが、やればやるほど、より速く、よりキレイになっていくのが、毎
日楽しくて仕方がなかった。
こんなに楽しい仕事と、何年もの時間を共にしたお客さまとお別れするのかと思うと、お風呂に入るたびに「なんてこうなっちゃったんだろう」と涙が出ました。
でも4日目に「じゃあ危険物だけやめればいい!」と気付いたんです。
私のサロンは元々「付け爪なしで爪の形が変わる」というコンセプトだったので、翌日「色
塗りはやめてお手入れだけにします!」と宣言し、お客さまにご説明しました。
予約はガラガラになり、お別れすることになったスタッフやお客さまもいましたが、新しい出会いもあると切り替えて。
お風呂で泣いて心の整理がついたのかもしれません。
「大丈夫、治るよ」と言ってくださった方もいて、私、単純なのでそう言われると信じちゃ
うんです(笑い)。
不思議と「今は大変だけど、私にとって病気は良いことなのかも」と。
人生って、悪いことが起きたら絶対良いこともあるじゃないですか。
良いことには、一緒に悪いこともついてくる。
だから体はズタズタだったけど
「後でご褒美があるかもしれない。ここまで悪ければ後は良くなるしかない」
と思えました。
時代はナチュラル志向。今、育爪が話題。
ピンク部分の形や長さも変えられる
自爪を健康で美しく育てるお手入れ専門のサロンに切り替えて「育爪」と「爪育」を商標登
録しました。
お客さまは「爪が丈夫になった」など、色を塗っていた頃の悩みが無くなった方が多いんで
す。
爪の形は生まれつき、と諦めている方もいますが、年齢・性別関係なく育爪である程度変
えられます。
爪をかむクセがある男性が「結婚式の指輪交換までに」と通われて、ピンクの部分が長くなった方もいますよ。
■育爪のステップは?
皆さんが思っている以上に、爪をキレイにするのは簡単。
この3ステップを実践すれば、早い人で2週間ほどで変化に気付くと思います。
①爪切りを使わない
ファイル(爪専用の紙ヤスリ)で削ります。
ガラス製などもありますが、爪より硬い素材は衝撃がかかり過ぎたり、削れ過ぎたりするので紙製がおススメです。
ゆっくりであれば、左右両方向に引いても大丈夫。
爪切りを使わないだけで、意図しない亀裂や、爪が指からはがれるのを防ぐことができます。
②植物オイルでケア
爪トラブルのほとんどの原因は乾燥です。
油分を入れて柔らかくしなやかに、折れにくくします。
天然の植物オイルを爪の裏に垂らし、すり込みます。
その時、オイルによっては水を1円玉程度混ぜて乳化させると、浸透しやすくなるのでおススメです。
オイルは人によって使い心地や体との相性が違うので、いろいろなものを試してみると面白い
と思います。
テレビを見ながらとか1日に5回から10回、気付いた時に塗ると効果を実感できます。
③爪を道具にしない
爪が折れやすい人は、爪を道具代わりに使っていることが多いです。
シールをキャッシュカードの端ではがしたり、シャンプーブラシで髪を洗ったり、爪を使
わないようにするだけで全然違ってきます。
爪が指からはがれピンクの部分が短くなるのも防げますよ。
お金も掛からず、決意だけで始められます。
ジェルネイルやネイルカラー、透明コート剤を塗ると、キレイな爪で気分が上がるという
楽しみがあります。
一方で、爪にある微細な隙間が埋まってしまうので水分や油分を保てずに乾燥したり、ネイル材料を爪から外すときの薬剤や表面研磨で、欠けやすくなったり、白く濁ってしまったりすることもあります。
そんな時には、健康でキレイな素の爪を育てる方法があることを思い出していただけたらう
れしいです。
とくに「自分の爪は生まれつき形が悪い」「爪を人工的なもので飾るのはいやだ」と思っている方にこそ、試してほしいと思います。