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テレビはネットに取って代わられるのか

生活

テレビは衰退する産業

だと言われて久しい。

 

そこにはインターネットの台頭が

影響として指摘されてきた。

 

テレビで見てきたような

番組(コンテンツ)は、

ネットでも楽しめ、今やテ

レビを所有しない人も相当

数いる時代である。

テレビの成長期

ここで、この時間を60年ほど

前に戻してみよう。

 

そこでは、旧来のメディアで

あるテレビは、

新興メディアとして扱われ、

今のテレビのポジションには

映画が座る。

 

日本が戦後復興から

高度経済成長へと発展を

遂げる1950年代末から60年代

にかけて、

今とは逆にテレビは爆発的な

勢いで所有されていくものであり、

いわゆる「三種の神器」として

注目を集めた。

 

特に、59年に当時の

皇太子・美智子妃の

ご成婚パレードの影響も

あってテレビは一気に普及する。

 

一方の映画は、その年、

大きなショックを受ける。

 

50年代、日本映画は海外の

映画祭で受賞が相次ぎ、

国内では観客動員が

急増し黄金期を迎えていた。

 

その数は58年に最高の

11億2700万人を記録するが、

それを境に、

翌59年から減少へと転じてしまい、

映画の斜陽が指摘されていく。

競合だけでない映画とテレビ

こうして、映画観客の

減少とテレビの爆発的な

普及の時期的符合により、

映画とテレビを対抗的に

捉える見方が一般化していった。

 

とはいえ、現代の商業映画に

目を向けると、そうした図式は

成立しない。

 

共同出資型の映画製作によって、

テレビ局も映画製作に

参加しているのが普通である。

 

また、人気ドラマの映画化、

テレビアニメの

劇場版というように、

作品コンテンツの共有も

果たされていて、

映画とテレビは

ビジネスーパートナーと

呼べるような関係性になっている。

反発と強調繰り返す中で収斂

それでは、いかにして、

映画とテレビは

現在のビジネス上の

有益な関係性を築くように

なったのだろうか。

 

あるいは、そもそもの

関係性を再考する

必要があるのではないか。

 

50年代からの両者の関係

を精察していくと、

確かにテレビの台頭で、

映画会社は自社作品の

テレビ放映を禁止したり、

俳優のテレビ出演を

認めなかったりと、

やはりテレビヘの反発が

大いに見受けられた。

 

とはいえ、同時に邦画各社は

テレビ局に出資し、さらには、

テレビ向けのフィルム番組を

作って提供するなど、

テレビ事業にもちゃっかり

乗り出していたのである。

 

その過程で、禁止していた

俳優のテレビ出演を、

各社とも自社製作の

テレビドラマで

解禁していくなど、

テレビ事業への期待を

高めていった。

カラー、大画面、3Dなど差別化も

また現在の映画は、

カラーで大画面の

フォーマットで

当然のように製作されるが、

このようなカラー化や大型化は、

50年代から、白黒で小さな

画面だったテレビとの

差異化で推進された。

 

そうした技術革新は、

現在ではより進化を遂げ、

CGを駆使した3D映像などが

映画観賞を特別なものに

している。

 

こうして、映画とテレビ

の関係は、初期から一概に

は対立的には歩んでこなかった

のであり、反発と協調を

繰り返しながら、

現在の状況へと収斂していった。

 

さらに言えば、そうした交流が

あったからこそ、

現在の両メディアの在り方が

見いだされたのではないだろうか。

 

ネットとテレビにも似たような

摩擦が起こっているが、

それは避けるべきものではなく、

メディアを未来に存続させていく

ために必要な過程だと捉えては

どうか。

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