寝たきりや認知症につながりかねない
「高齢者の転倒」をどう防ぐか――
体操などを交えながら″転ばない体づくり″
の方法をご紹介します。
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骨折のリスク
高齢者が思わぬ所で転んで骨折し、
入院して寝たきりや認知症になるケースは
珍しくありません。
年齢に関係なく「ヒトは転倒するもの」
ともいえますが、
打ち所が悪いと死に至ることもあります。
東京消防庁によると、高齢者が日常生活で
救急搬送された理由の約8割が
″転ぶ″に関する事故(その他・不明を除く)。
「転倒さえしなければ元気だったのに」となる前に、
日頃から″転ばない体づくり″を心掛けましょう。
高齢者が骨折しやすい4か所
高齢者が転んで骨折しやすいのは、主に
①太ももの付け根②手首③背骨④腕の付け根――
の4ヵ所で、倒れ方などによります。
気を付けたい点は、手首や腕など、
歩行に影響がないと思われる部分の骨折でも、
寝たきりにつながる恐れはあるということ。
骨折が治るまで動きづらく、また、
安静を重視するあまりに筋肉が衰え、
できていたことも、できなくなりがちなのです。
そして骨折が治っても、
生活が不活発な状態が続くと、
心身の機能が低下する廃用症候群になりかねません。
特に高齢者にとって手や腕の骨折は、
足と同じくらいリスクがあると考えてください。
ステップ反応
転倒の原因には、危ない住環境などもありますが、
高齢者自身が抱える要因に
①加齢に伴う反射や反応能力の低下②病気や障がい
③薬や食事の影響――
が挙げられます。
バランスを失い転びそうな時、
傾いた体を立て直すには足の動きと
反射神経が重要です。
この時、とっさに出る足の反応を
「ステップ反応」といいますが、
加齢や病気などで反応が出ないことも。
また集中力が低下して、
声や音が聞こえる方向に気を取られ、
足元への注意が散漫になって転ぶこともあります。
転倒予防には、本人の体力維持と
体づくりが大切です。
ここでは、転ばないために必要な
五つの筋肉を鍛える体操を紹介。
毎日の習慣に取り入れてみてください。
ただし、心疾患のある人や人工股関節の人などは医師に確認を。
体操の前には血圧や脈拍など体調を確かめ、
体操中も顔色や表情の変化がある場合は、
無理せずに中止してください。
体操は回数を体力に合わせて加減し、
笑って会話できるペースで、休憩と水分補給もして楽しく行いましょう。