本ページにはプロモーションが含まれています。

静電気の発生原因と防止対策方法

生活

冬の乾燥する時季、衣服を脱ぎ着したり、ドアノブに手を触れたりすると「バチッ!」と火花が飛んで、痛みが走る静電気現象。

悩まされている人も多いのでは。

そこで今回は、電気が起きる理由や、発生を防ぐ対策をご紹介します。

なぜ静電気は発生する?

すべての物質にはプラスの電気とマイナスの電気が含まれていますが、通常は同じ数だけあるため、バランスが保たれて安定しています。

しかし、二つの物質がこすれ合ったりすると、一方にプラスの電気を帯び、もう一方はマイナスの電気を帯びる場合があります(帯電)。

「静電気」はプラスの電気とマイナスの電気が静止してほとんど動かない状態のことをいいます。

私たちが着ている衣類がこすれ合っても静電気は発生して、衣服や体に蓄積します。

服を着て生活している限り、静電気は発生してしまうのです。

静電気は乾燥した冬季に多く発生


周囲に水分が多く存在すると、帯電は解消されやすくなります。

しかし、乾燥しているとなかなか解消されません。

日本の太平洋側の地域など、冬季に乾燥する場所だと、放電せずに体などに蓄積するケースが多くなります。

さらに、冬は重ね着になります。

衣類がこすれ合うことが増えるので、静電気も発生しやすくなるのです。

「いつ静電気を感じるか」とのアンケートに、12月上旬からという回答が最も多いという調査もあります。

また、冬季に雪や雨が多い日本海側の地域でも、暖房をつけるなどして乾燥した状態トラブルを回避、肌や髪の保湿もでは静電気が発生しやすくなります。

繊維が帯電した状態で衣服を包脱いだり、人が帯電した状態でドアノブに触れようとしたりすると、「バチッ!」と火花が飛んで痛みが走ります。

人がプラスに帯電していた状態で、ドアノブに手を触れようとすると、ドアノブ表面には、マイナスの電荷が誘起されます。ドアノブと手が近づくことにより放電が起きて、火花が飛びます。

人体に電気が流れ、感電している状態で、人は痛みを感じます。

静電気の量によって、この「バチッ!」の強さも違います。一般的に、キロボルトくらいなら針に刺された感覚ですが、7キロボルトになると、手のひらに強い痛みとしびれを感じるといわれます。

放電による痛みを防ぐには「帯電しにくい状態をつくる」「帯電しても解消できる状態をつくる」ことが大切です。

衣服には、プラスの電気を帯びやすい素材と、マイナスの電気を帯びやすいものがあります。

また、プラスにもマイナスにもなりにくい素材もあります(イラスト下参照)。

静電気の放電による痛みを防ぐには、帯電しにくい素材の組み合わせで服を選ぶか、帯電列の位置が近い素材同士を選んで着ることが「帯電しにくい状態をつくる」ことになります。

衣服の洗濯の際、静電気防止効果のある柔軟剤を使用したり、外出の前に静電気防止スプレーを衣服にかけたりすることで、「帯電しにくい状態をつくる」だけでなく、たとえ帯電しても速やかに放電する、「帯電しても解消できる状態をつくる」ことが可能になります。

また、肌が水分を多く含んで潤っていれば、水分を通して静電気が放電されやすくなります。

日頃からハンドクリームやトリートメントを使って、肌や髪の保湿に小まめに取り組むと、ある程度、改善されます。

乾燥した状態にあって、静電気はつきものですが、トラブルを避けて上手に付き合うことが大切です。

冬季を少しでも快適に過ごすために、以下のの対策をぜひ行ってみてください。

静電気対策のポイント

柔軟剤の使用 衣服の滑りをよくする潤滑油の働き

洗濯の際、ちょっとした工夫で静電気の発生を少なくすることができます。

その一つが柔軟剤を使用することです。

柔軟剤を使って仕上げると、繊維同士の滑りがよくなり、衣類同士のこすれ合いによる静電気の発生を抑えられます。

柔軟剤の界面活性剤は、油になじみやすい部分と、水になじみやすい部分からできています。

繊維についた油になじみやすい部分同士が潤滑油のような働きをして滑りをよくするのです。

また、柔軟剤の成分は、繊維の表面に、電気を外に逃す(放電)層をつくり、静電気がたまりにくくなります。

静電気を抑えることで、ほこりなども吸着しにくくなるので、黒ずみ防止にも役立ちます。

なお、洗濯の際は、洗濯槽に衣服を入れ過ぎないことがポイント。

入れ過ぎると洗濯槽がよく回転せず、柔軟剤が衣服に満遍なくつかなくなってしまいます。

衣服の組み合わせ マイナスとプラスに帯電する生地はNG

どんな素材の服や着合わせが静電気を発生させてしまうのでしょうか。

繊維にはマイナスの静電気を帯びやすいもの、プラスの静電気を帯びやすいもの、静電気を帯びにくいものがあります。

マイナスの静電気を帯びやすい素材にはアクリルやポリエステルなどがあります。

また、プラスの静電気を帯びやすいものとしてはナイロンやウールなどが挙げられます。

綿や麻などの素材は吸湿性が高いこともあり、帯電しにくく、静電気が起きにくいです。

電気はプラスとマイナスが引き合うので、ナイロンとポリエステル、ウールとポリエステルなどの素材の組み合わせで服を着合わせると静電気が起きやすくなってしまいます。

一方、静電気の帯びにくいものである綿との組み合わせや、ともにマイナスの静電気を帯びやすいアクリルとポリエステル、ともにプラスの静電気を帯びやすいナイロンとウールの着合わせなどは、静電気の発生を抑えることができます。

組み合わせが難しい場合、冬の期間は、綿のワイシャツやトレーナー、肌着などを着用すれば、静電気の発生を抑えることができます。

日常生活で静電気が気になっている時は、帯電しにくい服を着るのが一番のポイントです。

防止スプレーの噴霧 特殊な水の層をつくり放電を促す

コートやスーツなど洗濯できない衣服への手軽な静電気防止対策としては、陽イオン界面活性剤を使ったスプレー方式の静電気防止剤の活用があります。

静電気の発生を防ぐと同時に、特殊な水の層をつくって瞬時に電気を逃がすアースの役目を果たすので、静電気によるスカートのまとわり付きなどを防止することができます。

また、帯電した物質は、ほこりなどを吸い寄せてしまいますので、衣服の黒ずみを抑えることもできます。

外出前に、衣服から約20センチ離して、30センチ四方に4秒程度を目安に、こすれやすい部分も忘れずにスプレーしてください。

かばんとこすれる部分や、コート、スカート、スラックスの裾などは特に念人りに。また、服の表だけでなく、こすれやすい裏の部分にもしっかりスプレーしましょう。

なお、着ている服には必ず自分でスプレーするようにしてください。

他の人がスプレーすると、まれに静電火花が発生して衣服をこがす場合があります。

ドアノブの「バチッ!」を防ぐには

外出から帰った時、ドアノブに触れようとした瞬間、「バチッ!」と火花が散って、痛みを感じる場合があります。

こんな時は、電気を通しやすい金属に触れる前に、ゆっくり電気を通す素材に触れましょう。

セルフ式のガソリンスタンドでは「はじめに触ってください」などと書かれた静電気除去シートがありますが、これも同じ原理です。

また、静電気の痛みを感じるのは、体に蓄積した電気が指先など1ヵ所から一気に放電するためです。

その場合、鍵や金属性のボールペンなどをしっかり持って金属に触れましょう。

「バチッ!」となるのは、握っている金属の先端部なので、痛みを感じにくくなります。指先は神経が多く、痛みを感じやすいので、比較的鈍感な手のひらからドアノブに触れるのも方法の一つです。

静電気防止は花粉症対策にも有効

物質同士がこすれ合うと静電気が発生する場合があります。

この静電気に花粉が引き寄せられます。

粒子が細かいほど、その傾向は強くなります。

また、ウールやポリエステル素材の衣類に静電気が発生すると、花粉のつく量は2倍近くに増える場合があります。

そんな時、洗濯の際に柔軟剤を使って繊維の滑りをよくしたり、外出前に静電気防止スプレーを使用したりすると、静電気の発生を抑えて、花粉の付着を抑えることができます。

スギやヒノキの飛散開始は、平年並みか平年よりやや早い2月上旬になる予想なので、花粉症対策の一環としても、静電気防止を行うようにしましょう。

タイトルとURLをコピーしました