紫外線アレルギーと呼ばれる病態は、日光や紫外線を浴びることで皮膚にアレルギー反応が引き起こされる現象の総称です。
一見、単なる日焼けや日光による刺激と思えるかもしれませんが、実はその原因には複雑な要因が絡んでいます。
今回は、紫外線アレルギーの正体と原因、さらには症状と予防対策までを詳しく解説していきます。
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紫外線アレルギーとは何か
紫外線アレルギーは、日光に当たった部分の皮膚に赤み、かゆみ、発疹などのアレルギー反応が現れる病態を指します。
「日光アレルギー」「光線過敏症」ともいわれ、一つの特定の病気ではなく、日光や紫外線が原因で引き起こされる複数の皮膚疾患をまとめた総称なのです。
晴れた日や春夏の紫外線が強い時期に、顔や腕など紫外線が当たりやすい部位から症状が現れやすいのが特徴。
目の充血やまぶたの腫れも起こりえます。
日光浴びた後30分程度から数時間以内に症状が出る場合が多く、自然に数日から数週間で落ち着くことがほとんどです。
原因は内的・外的要因の2つ
紫外線アレルギーは、大きく分けて「内因性」と「外因性」の2つの原因によって引き起こされます。
内因性とは、遺伝的な体質や代謝の異常などの内的な要因が原因となるケースです。
日光蕁麻疹、多形日光疹、慢性光線性皮膚炎、色素乾皮症などの病態がこれに当てはまります。
一方の外因性は、服用中の薬剤や使用している化粧品の成分などの外的な要因が原因となるケースを指します。
光線過敏症薬疹や光接触皮膚炎などの症状がこれに該当します。
内因性と外因性のそれぞれについて、より詳しく原因を見ていきましょう。
内因性の紫外線アレルギーの原因
内因性の紫外線アレルギーの代表的な症状には、以下のようなものがあります。
・日光蕁麻疹:日光が当たった部分にかゆみを伴う発疹やミミズ腫れが現れる
・多形日光疹:日光を浴びた部位に湿疹や水ぶくれができる
・慢性光線性皮膚炎:強い湿疹ができ、治療が難しい
・色素乾皮症:遺伝性の病気で、日光で激しい日焼けや乾燥症状が出る
これらの症状の原因は、遺伝的な体質や代謝の異常が関係していると考えられています。
日光蕁麻疹の発症には可視光線が影響しており、一度発症すると同じ人に再発しやすい特徴があります。
多形日光疹は10〜20代の女性に多く、慢性光線性皮膚炎は中高年の男性に多いとされています。
外因性の紫外線アレルギーの原因
一方、外因性の紫外線アレルギーの主な症状は以下の通りです。
・光線過敏症薬疹:薬の成分が日光と反応してアレルギーを起こす
・光接触皮膚炎:外用薬の成分が日光と反応して皮膚炎が出る
これらは、服用中の薬剤や使用している化粧品の中の特定の成分が、日光を浴びることでアレルゲンとなり、アレルギー反応を引き起こすことが原因です。
光線過敏症薬疹は、抗菌薬や利尿薬、消炎鎮痛薬などの内服薬で起こりがちです。
光接触皮膚炎は、湿布薬や外用薬の成分が影響する場合があります。
紫外線アレルギーの主な症状
内因性と外因性を問わず、紫外線アレルギーの主な症状は以下のようなものです。
・赤み、発疹、湿疹、水ぶくれ
・かゆみ、ミミズ腫れ
・目の充血、まぶたの腫れ
日光を浴びた後から数時間以内に、当該部位にこうした症状が現れるのが特徴的です。
直射日光を浴びた室内や日陰に入ると、症状は落ち着く傾向にあります。
紫外線アレルギーへの対処法
紫外線アレルギーの症状が出た場合、まずは内服薬や外用薬での対症療法が中心となります。
内服薬としては、抗ヒスタミン薬が処方されることが多く、ステロイド剤の内服も重症時には選択肢に入ります。
外用薬では、ステロイド配合の薬用クリームなどが使われます。
また、アレルギー反応を誘発する薬剤や化粧品があれば、すぐに使用を控える必要があります。
重症の場合は、UVA・UVB照射検査や光パッチテストなどを受け、原因物質の特定や適切な治療法を見つけることが大切です。
予防対策が必要不可欠
紫外線アレルギーは完治が難しい病態です。
そのため、発症を防ぐための予防対策が非常に重要になってきます。
まずは直射日光を避けることが鉄則です。
特に午前10時から午後4時の時間帯の外出は避けましょう。
また、長袖の服や帽子、サングラスなどの着用も有効です。
そして何より欠かせないのが、日焼け止めの使用です。
SPF50+、PA++++の高紫外線防止効果を持つ日焼け止めクリームを、適量をムラなく塗ることが大切です。
極端に肌に優しすぎない製品は避け、敏感肌用に開発された低刺激の日焼け止めがおすすめです。
日光アレルギーの症状が気になる方は、早めに皮膚科を受診しましょう。
紫外線アレルギーは自覚症状がなくても、徐々に進行する恐れがあります。
医師に相談し、検査や治療を受けることで、症状をコントロールでき、重症化を防げます。
忘れてはいけないのが、家族歴の確認です。
紫外線アレルギーの一部は遺伝的素因が関係しているため、家族に発症者がいれば要注意です。
そうした場合は、予防対策をいち早く立てる必要があります。
紫外線アレルギーの治療は簡単ではありませんが、日頃の予防対策さえしっかりしていれば、症状が出にくくなります。
特に春夏に入る前から対策を立て、紫外線による負担をできるだけ減らすよう心がけましょう。
屋外で活動する機会の多い方は、日焼け止めの塗り直しにも気をつける必要があります。
こまめな塗り直しが、肌を紫外線からしっかりと守ってくれます。
紫外線の強い時間帯は無理のない範囲で室内や日陰を選び、ライフスタイルの見直しも検討するといいでしょう。
さいごに
まとめると、紫外線アレルギーは内的・外的要因が複雑に絡み合った病態であり、原因の特定が難しい一方で、日光や紫外線を避けることが最善の予防につながります。
適切な処置と予防対策であれば、症状をコントロールできます。
環境に合わせた対策を立て、トラブルのない肌生活を送りましょう。
