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脳を鍛える記憶術

健康

「3・141592……」と無限に続く円周率(π)をこれまで4万桁も暗唱し、6面立体パズル(ルービックキューブ)を目隠しで完成させてしまう友寄英哲さん。御年84歳。今なお、記録更新に挑む友寄さんに″脳を鍛える記憶術″などを聞きました。

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若い頃から暗記モノが苦手だった私か、54歳の時に円周率を4万桁も暗唱できたのは″記憶術″ともいうべきノウハウを身に付けたからです。
記憶術とは、数字の羅列をただ丸暗記するのではなく、いつでも取り出せる記憶として定着させるもの。その一つが″語呂合わせ″です。

例えば「794年、平安京遷都」を「泣くよ○○平安京」と、数字や記号を、連想して読める音に当てはめて覚えた経験は誰にでもあるでしょう。
意味のない数字の羅列は覚えられなくても、意味が読み取れる単語や文章に置き換えると、イメージが定着しやすく簡単に思い出せます。
私か、この記憶術に興味を持ったのは22歳の時。以来、語呂合わせ記憶術のとりこになり、電話番号や銀行の口座番号などを暗記。27歳で次に挑戦しようと決めたのが1000桁の円周率表でした。
長い数字の羅列を覚えるのには工夫が必要。私は円周率を10桁ずつ語呂合わせにし、物語として覚えています。
最初の10桁は「141(都市の)592(黒人)65(婿)35(サンゴ)=都市の黒人、婿にサンゴをあげた」次の10桁は「89(野球)79(軟球)32(3時)3846(みやしろ)=野球軟球3時にみやしろに集合」

さらに、これらの物語を思い出しやすくするため、最初の10桁は00(王)、次の10桁は01(老い)というように、キーワードとなる語呂合わせ番号を付けています。つまり最初の10桁は「(王が)都市の黒人に……」、次の10桁は 「(老人が)野球軟球……」と記憶しているのです。
ちなみに、語呂合わせの物語は荒唐無稽な方がインパクトがあって脳に残りやすい、というのが私の実感です。
その後、30歳で1000桁を暗唱、47歳で2万桁暗唱に成功。54歳では4万桁暗唱のギネス世界新記録を樹立することができました。

指を動かし活性化

記憶トレーニングを続けていた57歳の時、東京の研究所で健康度を検査してもらうと「自律神経機能は実年齢より20歳以上若い」と。

暗唱用にリラックスして楽しい物語を作り、それを繰り返し思い出すうち、脳内で神経伝達物質の働きが活発になり、脳が若返ったようです。
70歳の時は、磁気共鳴画像装置(MRI)検査をしてもらうと、医師に″20代の脳″と褒められ、一般的な老化に伴う萎縮などの変化が少ないことが分かりました。
72歳のある日、妻が買ってきたルービックキューブを私も回していると、語呂合わせをキューブの解法手順に応用できそうだと思いました。
キューブの上面を1、前面を2、左面を3、右面を4、裏面を5、底面を6と振り、各面を時計方向に90度回す動作を面の数字で示します。
例えば、上面を時計方向に90度回す動作は「1」、右面を時計方向に90度回す動作は「4」と表し、連続して行うと「14」。これを語呂合わせで「石」「医師」「椅子」「都市」といった単語に置き換えて覚えたのです。
そして75歳の時、目隠しをしてルービックキューブを完成させるこどが目標に。それまでの世界最高齢者は63歳で高齢者には難易度の高い競技ですが、諦めず特訓を重ね、80歳で世界最高齢を更新することができました。
その後は完成までの時間短縮に挑み、82歳と83歳の時に自己記録を更新。ルービックキヽユー・ブは″第2の脳″といわれる指を動かすので、数字を覚えるだけよりも脳が活性化していると確信します。

限界は自分が諦めた時

 前向きな気持ちで

私は「老けない脳の秘訣は記憶にあり」と断言し、記憶力を磨く生活を勧めていますが、円周率の暗唱やルービックキューブの解法を推奨しているわけではありません。
電話番号や暗証番号、人の誕生日などの数字をはじめ、買い物リスト等も語呂合わせで覚える″メモなし生活″が脳を活性化させます。
もし、度忘れしても「加齢=記憶力の低下」と思い込まず、覚え直せばいいのです。
語呂合わせの記憶術で使う、創造力・思考力は年を重ねるほど優れることをご存じですか。これらの「結品性知能」は高齢になっても衰えにくいことが分かっています。
ただ、記憶は「覚えよう」という気持ちがあってこそ。目標を決め、とにかく始めることが、やる気を生みます。
たとえ忘れても、クヨクヨしないこと。繰り返し覚え直すたびに記憶量は増えるので、前向きな気持ちが大事です。
また、忙しい人には″こま切れ時間″と″ながら時間″の活用がお勧め。私は会社員時代は通勤時間に、妻を介護している今は家事をしながら記憶の特訓をしています。
時には「記憶して何の役に立つの?」と思うこともあるかもしれません。でも、覚えて損はありますか。脳が活性化して物忘れしにくくなるなど、良いことばかりだと気が付けば楽しくなるでしょう。
脳の力に限界はなく、限界は自分が諦めた時なのです。

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