ろう者と健聴者がつながる場所
耳の不自由な、ろう者と健聴者が手話で交流できる「手話カフェ」「手話バー」が都市部を中心に全国各地でオープンし、注目を集めています。
今回は都内にある手話カフェをご紹介します。
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初心者も参加しやすいイベントを活発に開催
お邪魔したのは東京都杉並区に昨年オープンした「NOK CAFE BAR(ノックカフェバー)」。
お酒も楽しめる、おしゃれな雰囲気のカフェバーです。
6人の聴覚障がい者と3人の健聴者が働いており、店長の具志茂光さんも生まれつき耳が聞こえない。
訪ねた日は、初心者を対象にした手話レッスンフック手話クラブ」が店内で開催されていた。
参加したのは5人。手話を自在に操る健聴者で同店スタッフのテツさんを講師に、具志店長も加わりレッスンはスタート。
できる限り手話を使ってコミュニケーションするというルールで、順番に自己紹介した。
参加者のうち女性3人は手話講習会で手話を勉強したことがある経験者で、もう1人の若い男性は少しだけ手話ができた。
手話をやってみようと思った理由は「犬の散歩でいつも会う人が耳が不自由で、もっとコミュニケーションを取れたらと思ったから」「地域のサークルに耳の聞こえないメンバーがいて、手話を教えてもらいながら使うようになった」と、ろう者との出会いをきっかけに興味を待ったケースが多かった。
自己紹介が終わると、ウォーミングアップとして50音の指文字を「あ行」から練習。「き」は影絵のキツネの形をつくったり、「ゆ」は3本指で温泉マークの湯気をつくるなど、ユニークな表現がたくさんあった。
そして本日のメインイベント、人さし指だけ(片手でも両手でも構わない)を使った手話表現を、順番に発表していくゲームに入った。途中、コーヒーとケーキをいただきながら、手話の勉強法や上達のコツについて語り合うなど、同カフェは情報交換の場にもなっているようです。
「会話したい」という気持ちが大切
とても印象に残ったやりとりがあります。
若い男性の「(ろう者に)自分の手話が通じているか分からないんですよね」との言葉に、女性たちが「この表現で合っているか素直に聞けばいい。
ただ黙つているだけじゃ全然教えてもらえない」一生懸命、コミュニケーションしたいという気持ちが通じたら教えてくれるよ」と口をそろえた。
初めてで分からないことだらけの手話に圧倒されていましたが、手話を学ぶ姿勢を教えられた気がしました。
こうして2時間の手話クラブは、あっという間に終わりました。帰り際、若い男性の参加者は「思ったよりも楽しかった。すごくいい刺激になったので、また参加してみたい」と笑顔で語っていました。
同店では「ノック手話クラブ」のほか、フック手話べり会」や季節のイベントなど、手話経験を問わず気軽に参加できるイベントを活発に開催しています。
同カフェやバーについては、店舗情報の一覧などはないため、ネット検索などで最寄りの場所を探してみてください。