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医療費控除の確定申告 改正のポイント

社会

年間の医療費の一部を税金から控除する医療費控除。

控除を受けるには確定申告が必要ですが、2017年分の確定申告から

医療費控除を受ける場合の手続きが改正されました。

そこで、今回は改正のポイントをご紹介します。

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領収書の提出または提示が不要

確定申告は、個人の1年間の所得に対する所得税を計算した申告書を税務署に提出し、

税金の精算(納付または還付)をする手続きです。

年末調整で税金の精算をしているサラリーマンでも、

 

①一定額以上の医療費の支払いがあった

②ふるさと納税などの寄付をした

③災害により住宅や家財などに損害を受けた

 

---などの場合は、確定申告することで還付を受けられることがあります。

 

今回は、2017年分の申告から、①の医療費控除について

大幅な改正がありましたので解説します。

まず、今回から提出書類が簡略化され、「医療費の領収書」の提出

または提示が不要となりました。

 

代わりに、「医療費控除の明細書」の提出が必要になります。

ただし、領収書は自宅で5年間保存する必要があります。

経過措置として2019年分までの確定申告にっいては、

従来通り領収書の提出による申告もできます。

 

また、健康保険組合などから送付される「医療費のお知らせ」を提出すれば、

明細書への記載を省略することも可能です。

セルフメディケーション税制が創設                            一定の条件満たせば所得控除の対象に

もう一つの改正点として、<表1>に示したように

「セルフメディケーション税制(医療費控除の特例)」が創設されました。

<表1> 従来の医療費控除 セルフメディケーション税制
適用対象者 一定の医療費を支払った居住者 一定の取組みを行っている居住者
対象範囲 自己や自己と生計をーにする配偶者や、その他の親族の医療費 自己や自己と生計をーにする配偶者や、その他の親族の特定一般用医薬品等の購入費
控除額 医療費の合計額-10万円(総所得金額等が200万円未満の人は、総所得金額等の5%)=控除額(上限200万円) 特定一般用医薬品等の購入費の合計額-1万2000円=控除額(上限8万8000円)
手続き 確定申告書に「医療費控除の明細書」を添付して提出 確定申告書に一定の取り組みを明らかにする書類と、「セルフメディケーション税制の明細書」を添付して提出
領収書等の提出 省略(5年間保存) 省略(5年間保存)

 

セルフメディケーション税制は、健康診断などを受けている人が、

一部の市販薬を購入した際に所得控除を受けられる制度です。

 

従来の医療費控除と、セルフメディケーション税制は選択適用のため、

同じ人が同じ年分で、両方の控除を受けることはできません。

 

従来の医療費控除額は、1年間で支払った医療費の合計額から、

保険金などで補てんされる金額を引いた額が10万円

(総所得金額等が200万円未満の人は、総所得金額等の5%)を超えたとき、

その超えた金額(上限200万円)です。

 

一方、セルフメディケーション税制の控除額は、健康増進や疾病予防などへの

一定の取り組み<表2参照>を行っている人が支払った、

特定一般用医薬品等※の購入費の合計額から、保険金などで補てんされる

金額を引いた額が1万2000円を超えるとき、

その超えた金額(上限8万8000円)です。

 

【表2】

一定の取り組み 添付書類
健康保険組合、市区町村国保などが実施する健康診査(人間ドック、各種健診など) 領収書または結果通知表
市区町村が健康増進事業として行う健康診査
特定健康診査(メタボ検診)、特定保健指導
市区町村が健康増進事業として実施するがん検診
勤務先で実施する定期健康 結果通知表
予防接種(定期接種、インフルエンザワクチンの予防接種) 領収書または予防接種済証

 

なお、一定の取り組みを行っている人は、その取り組みを行ったことを

明らかにする書類の添付が必要となります。

※【特定一般用医薬品等】とは

ドラッグストアなどで購入できるスイッチOTC医薬品のこと。

レシートなどに対象商品であることが記載され、

一部の医薬品には共通の識別マークが掲載されています。

 

(共通の識別マーク)

 

 

控除額の試算例

総所得金額等が300万円の人を例に、従来の医療費控除額と

セルフメディケーション税制の控除額を試算してみましょう。

【例1】歯の治療費5万円、特定一般用医薬品等の購入費が3万円の場合。

①従来の医療費控除額=(5万円+3万円)-10万円=マイナス2万円→O円
②セルフメディケーション税制の控除額=3万円-1万2000円=1万8000円

従来ですと控除が受けられませんでしたが、②を選択することで控除が受けられます。

 

【例2】歯の治療費10万円、特定一般用医薬品等の購入費が2万円の場合。

①従来の医療費控除額=(10万円+2万円)-10万円=2万円
②セルフメディケーション税制の控除額=2万円-1万2000円=8000円

この場合は、従来の医療費控除を選択した方が有利です。

 

選択に迷われる場合は、国税庁のホームページでシミュレーションができます。

 

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