小林裕真容疑者の母親は、大阪府警に「(息子は)精神疾患だった」と説明している。小林容疑者は調べに対し、意味不明の供述をすることもあるというが、事前に大型の刃物を複数用意していた。ガスバーナーで民家の窓を破って侵入した可能性があるなど、周到な計画性もうかがえる。今後は刑事責任能力の有無が焦点になりそうだ。
インターネット上に残っていた母親のものとみられるブログや府警によると、小林容疑者が精神疾患と診断されたのは平成26年の末ごろ。医療施設に数カ月入院した後、自宅に戻った。今年4月には「人生をやり直したい」と大阪府内の定時制高校に通い始めたが、数日で登校しなくなったという。
一方、小林容疑者は今回の犯行に刃渡り約30センチの短刀を使ったほか、同約20センチの刺し身包丁やナタを所持。さらに用意したガスバーナーで民家1階の窓を円形に破った疑いもあるなど、一家の襲撃を周到に準備した形跡がうかがえる。
精神鑑定の経験が豊富な昭和大の岩波明教授(精神医学)は「精神疾患により被害妄想を抱いた人間が、相手からの反撃を防ぐなどの理由で事前に凶器を準備することはありえる。面識がない人を襲うこともあるが、その場合はどこかで姿を見ているなど、何らかの接点はあったはずだ」と指摘する。
犯罪白書によると、平成26年中に摘発された交通事故関係の過失犯などを除く「一般刑法犯」25万1115人のうち、統合失調症などの精神障害者や精神障害の疑いがあるのは3834人で、全体の1・5%だった。ただ、殺人は967人中124人で12・8%、放火だと598人中104人で17・4%と、比率は高くなっている。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161020-00000091-san-soci