「アンガーマネジメント」という言葉をご存じでしょうか。
心の中の怒り(アンガー)をコントロールする方法です。
子どもたちにも知ってもらおうと、「日本アンガーマネジメント協会」
代表理事の安藤俊介さんが小学校で、その教育活動を行っています。
学校で子どものけんかが増えているとの調査結果もあり、関心が高まりつつあります。
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ピークは6秒間
アンガーマネジメントは怒りを我慢することではありません。
人間の怒りの感情のピークは6秒間とされる。
そこをやり過ごして、感情的な行動を抑えるのが目的です。
同協会によると、方法は
①六つ数を数えて6秒間待つ
②手の平をにぎったり開いたりを6秒間くり返す
③6秒間何も考えない
ーーーなどを行うこと。
頭のてっぺんや背中のツボを軽くたたいてストレスを和らげたり、
怒りを体から押し出すように動いたりする「怒らない体操」の普及を進めています。
東京都世田谷区立中町小学校で6年生を対象に開かれた実演会で安藤さんは、
約60人を前に「怒るのは自然なので、怒ってもいいんだよ」と強調。
その上で①他人を傷つけない②自分を傷つけない③物をこわさないーーー
の「三つのルール」を守ることが大切だと説明しました。
実演会を終えた男児(12)は「体操が楽しかった。これからもやりたい」と。
「弟とけんかになるといつも自分だけが怒られる」と不満を漏らす女児(12)も
「6秒は長く感じるけど、がんばってみる」と前向きに捉えています。
怒らない子どもたち
文部科学省は昨年10月、2016年度の全国の小学校における暴力行為の数を、
前年度より約5700件増の約2万2800件と発表しました。
件数は年々増えており、学校が小さなことも報告するようになったことも
背景にあるとみられますが、「自分の意思を言葉で表現できない」
「感情をコントロールできず、つい手が出てしまう」との報告も上かっています。
子どもたちが怒りっぽくなっだのではなく、感情をうまくコントロールできないのが
原因ではないかと安藤さんも感じています。
「学校や保護者と接すると、『子どもがあまり怒らなくなった』という声をよく聞く」。
感情をためこんでしまう子どもが多くなっているそうだ。
安藤さんは「『三つのルール』を守れるのなら、相手に言い返してもいい」とした上で、
「『怒らない体操』はどれか一つだけやっでもいい。楽しみながらやってください」
と話しています。
アンガーマネジメント 1970年代に米国で始まった心理トレーニング。 自分の怒りの元が何で、どこにあるのかを知り、上手に付き合う方法を学ぶ。 怒りの感情をコントロールできるようにして、衝動的な行動をなくすことで、 感情を豊かにし、良好な人間関係を築けるようにするのが目的。 当初は家庭内暴力への対処法などとして利用されていたが、現在は企業研修や教育現場、 スポーツ選手や政治家などにも広まっている。