日本に眠る膨大な再生可能エネルギーを生かすには

日本国内には、水力だけ見ても、

揚水式約2800万㌔㍗を含めた

約5000万㌔㍗の膨大な水力の他に

陸上や海洋など膨大な

再生可能エネルギーが眠っている。

これらの国産エネルギーをいかにして活用するべきか

そのヒントとなりうる国であるノルウェーについて

ご紹介します。

柔軟性生かし活用広げる欧州のグリーンバッテリーへ

水力大国ノルウェー 国内発電量の96%が水力発電

ノルウェーはノルディツク競技を生んだ地である。

幻想的なオーロラや歴史を刻む街並みが人気だ。

切り立つ垂直の断崖が青緑色の海面下

数百㍍へ突き抜けるフィヨルド(峡湾)は圧巻である。

国土の90%が標高1000~2000㍍の中で

起伏が重なり、氷河や河川・自然湖は、

はるか遠くへと広がる。

日本とほぼ同じ面積に、

北海道の人口に近い525万人が暮らす。

資源小国であったノルウェーは

100年以上前から身近にあった

水資源の利用に挑戦し、

世界6位の水力大国を築いてきた。

国内の水力発電所は1550ヵ所に及び、

全発電量の96%を占める。

かつて厳しい貧困から北米への移民も

続いた同国だが、今や1人当たりのGDPは

日本の2倍、世界4位を誇る。

はるか昔、進取の精神を胸に世界を疾駆した

勇壮なバイキングの末裔は、今、″挑戦とチャンス″を

携えて持続可能な新しい国民国家づくりに

疾駆している。水力はその一つである。

日本で、水力といえば、佐久間ダムや、

「黒部の太陽」で有名な黒四ダムがあるが、

水力には貯水式とポンプで

水をくみ上げる揚水式がある。

ノルウェーの水力発電量の約75%を占めるのは、

1000ヵ所を超える貯水式だ。

これは欧州の貯水式水力発電量の半分に相当する。

また、南ノルウェーの″既存水力大改修計画″に

寄せられる欧州の期待は大きい。

その期待は″水力の柔軟性″にある。

電気は余ったから貯めておく、

というわけにはいかない。

太陽光・風力では発電量が変動するのに対し、

水力発電は、発電量の機敏な調整に

大きな柔軟性がある。

需要と供給のバランス、これが電力の基本である。

多国間の市場を構築

ノルウェーの貯水式ダムでは、

雪解けや降氷期に十分な貯水を行い、

これを電力へと転換している。

例えば、ブラスジョ貯水池は、

1000㍍級の高地に多段的に設置された

大小11のダムにより、

発電量にして78億㌔㍗時に

相当する貯水容量を有している。

仮に家庭用蓄電池(10㌔㍗時)で、

同量を蓄電しようとすれば、

7.8億台が必要だ。

家庭用蓄電池1台の価格を30万円として換算すると、

ブラスジョ貯水池の貯水価値は、

200兆円にも上ることになる。

まさに巨大な蓄電池だ。

一方、揚水式ダムは、

太陽光・風力の余剰電力を使い、

水をくみ上げ、貯水を行っている。

これは形を変えた蓄電である。

国際連系線による需給安定も

ノルウェーをはじめ北欧は、

国際連系線の相互融通によって

欧州の再生可能エネルギーの普及にも

大きく貢献している。

ノルウェーでは水力発電が主力だが、

デンマークでは多数の風力発電の風車が稼働しており、

強風時には電気料金は安くなる。

安くなった電気を輸入することで

近隣諸国は恩恵を受けることも多い。

スウェーデンやフィンランドでは

熱利用(バイオマス発電など)も盛んである。

こうして北欧では各国の電力特性を利用し、

相互の価格差の中で電力の輸出入を決め、

″全域がベストな状態″となる発電を目指している。

これらはコンピューターを駆使した

精緻なシステムで運用されている。

ノルウェーでは、1970年代の

電算機時代からいち早く、

こうした技術開発に″挑戦″している。

さらに91年には世界に先駆けて電力自由化を行い、

96年にはノルウェーの電力市場にスウェーデンが参加、

世界初の多国間の電力卸売市場、

″ノルドプール″を構築した。

これは、やがて北欧4力国に拡大する。

この市場では株売買のように電力売買が行われる。

また相互接続はノルウェーの16本の

国際連系線が活躍し、

頻繁な電力融通によって需給の安定にも役立っている。

日本の中に眠る電源

ノルウェーの水力(柔軟性)の

広域的活躍は目覚ましく心強い。

また、安価でC02を排出しない

エネルギーとして欧州の″グリーンバッテリー″

への期待も大きい。

ノルウェーの電力輸出入は5年前の赤字から、

現在、約10%を超える黒字(総発電量比)

に躍進している。

ノルウェー発の″挑戦″が、多くの″チャンス″を開いた。

欧州の「エネルギーロードマップ2050」の
核心は再生可能エネルギーの大量導入だ。

パリ協定の発効によって国際的な
大量導入の潮流が加速した。

日本政府も、再生可能エネルギーを

「主力電源」と位置付けたが、

再生可能エネルギーの導入率は

世界平均の24%を下回る約16%、

エネルギー自給率はOECD加盟国中でも

ほぼ最下位の8.3%である。

一方、化石燃料の輸入は、

年間16兆円(2017年)に上り、

総発電量に占める化石燃料は80%強である。

日本国内には、陸上や海洋など

膨大な再生可能エネルギーが眠っている。

水力だけ見ても、日本には揚水式約2800万㌔㍗を

含めた約5000万㌔㍗の膨大な水力がある。

これらは紛れもない国産エネルギーである。

これら再生可能エネルギーの導入拡大は、

自給率向上、国富流出の減少、

C02削減等の改善にもつながるだろう。

また、再生可能エネルギーが名実とも

に主力電源になることは、

地方創生の強力な後押しになるはずだ。

記事下

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