新年度を前に、新しい環境でスタートする皆さんの心の中は、
期待や不安が入り交じっている状態だと思います。
そこで、新社会人に向けて、特に関心が高いとされる
コミュニケーション能力の仲ばし方について紹介します。
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職場の上司や先輩を見つめるポイント
新社会人のスタートを前に、職場の上司とうまく人間関係を
築けるのかと不安に思う方もいるでしょう。
親以外の大人との接点が確実に減った現代社会では、
それは無理のないことかもしれません。
個人主義が浸透した分、地域社会特有のしがらみやストレスは減りましたが、
異世代と交流するすべを磨く機会も減りました。
世代ごとで、考え方やものの捉え方に違いがあるのは当然ですが、
その違いを踏まえて対応できる人は「立派な大人」といえるでしょう。
とはいえ、入社1年目から、このような対応力を求めるのは、
なかなか難しいことですし、勧めようとも思いません。
1年目の方に課されているのは、まずは仕事を覚えることだと思います。
最初は自分中心でいいのです。
コミュニケーション能力は、経験に比例してレベルアップしていくものですので、
一朝一タでどうにかなるものではありません。
ですので、焦らず、じっくりと伸ばしていきたいものです。
年上、年下に限らず、コミュニケーションをする時の土台になるのは、
「敬意」です。
自分にはないものを持っている相手を尊重し、
そこから自分も学んでいこうとする姿勢です。
敬意は、欠けていても満ちていても、相手に伝わりやすいものです。
社会には実にさまざまな年上がいますが、職場の上司や先輩を
見つめるポイントをいくつかお伝えでさればと思います。
①他人の長所に目を向けよう
他人の短所にまず目がいく人より、他人の長所にまず目がいく人の方が、
お手本になる人を見つけやすく、そこから未来の自分に役立つ情報や教訓を
学び取りやすいといえます。
自分の歩みそうなキャリアを重ねている上司や先輩がいたら、
その人のコミュニケーションの機微や、上司と部下の間で
どう立ち回っているかをよく観察しましょう。
例えば、他部署の人や偉い人に対する言葉遣いや、
交渉する際の態度やしぐさなどは情報の宝庫ですよね。
敬意を持ちながら学ぼうとする分には、上司や先輩もまんざらではなく、
好かれることはあっても、毛嫌いされることはないでしょう。
②世代でモノの見方が違うことを理解
心理発達のモデルを提唱したエリクソンという学者によれば、
思春期、つまり「若者」と呼ばれる時期の成熟の課題は
「アイデンティティーの確立」です。
大ざっぱに説明するなら、アイデンティティーとは、
「これって私」「俺ってこういう人間だ」といった、
自分自身をイメージする際になくてはならない構成要素のことを指します。
若者のうちは、この構成要素は、時間とともに変化していくことが多いですが、
「大人」と呼ばれてもおかしくない年齢になってくると、
アイデンティティーは簡単には変わらなくなってきます。
つまり、自分にとってベターなアイデンティティーを
探している最中の人間にとって最適な生き方と、
すでにアイデンティティーが出来上がってしまっている人間にとって
最適な生き方は、イコールではありません。
この点を考慮するだけでも、世代によってモノの見方や
価値観に違いがあることが理解できます。
③体調を管理しよう
新しい出会いは良いものですが、注意も必要です。
慣れない場面のコミュニケーションは体力と精神力を消耗し、疲れるからです。
多くのコミュニケーション指南本が書き落としていることですが、
コミュニケーションに苦手意識を持つているけれども上達したい人は。
「自分は人一倍コミュニケーションによる消耗が早い」
と頭にたたき込んでおくべきです。
進学や就職という局面では、コミュニケーションによって
激しく消耗することを見越して、いつもより睡眠時間を確保したり、
食事をきちんととったりするなど、体調管理の工夫を怠らないようにしましょう。
五月病の時季に貝合が悪くなって心療内科や精神科を受診する人を眺めていると、
体調管理を軽視したまま、新しいコミュニケーションに臨んでいることが珍しくありません。
コミュニケーション能力を本当の意味で成長させるには、
時間をかけた取り組みが必要不可欠です。
「じっくり伸ばしていこう」この気持ちを忘れないでほしいです。
④「若いうちに○○しろ」から学びを抽出
年上の人から、「若いうちにOOをやっておきなさい」
と言われることがあると思います。
おせっかいのように聞こえ、コミュニケーションを
避けたくなる場合もあるかもしれませんが、
それらの言葉には失敗も成功も昧わってきた
多種多様な人生経験が溶け込んでいます。
年上の人は、生物としての加齢や社会的な立場の変化を先取りしている点では、
自分もこれから進むであろう未来を先取りしているといえます。
年上の人たちは〝未来情報の宝庫〟なのです。
性別や境遇、職業によって同じ言葉でも、意味するところはかなり違ってきます。
年上の経験談から、自分にとって役立つエッセンスを読み取るためにも、
聞く耳は持っておいた方がいいでしょう。
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運=コミュニケーションスキル
これまで多く人達の仕事ぶりと人生を、目にしてきましたが、
成功している人とそうでない人の違いは何なのかを常日頃考えてきました。
その過程で気付いたのは、仕事の成否を分けるものは、
どうも技術や努力だけの回題ではない、ということです。
私はそこに「運」が必要だと思うのです。
それも割合でいえば「才能1、努力2、運7」ぐらい。
運の割合が高いと感じる方もいるかもしれませんが、
これが真実だと感じています。
「運ならどうもしようがないじゃないか」と思う方もいるかもしれませんが、
そんなことはありません。
私の定義で、運というのは「人柄」を指します。
運を高めるとは、「コミュニケーションースキルを高めること」と同義です。
また、この運を高める努力は、誰よりもしてきたという自負があります。
実例を交えながらいくつか紹介します。
最初は演技かもしれませんが、続けていくうちに体に染みつき、
当たり前の行動に変わるでしょう。
①ネガティブワード「のに」に注意
運を遠さけないために覚えておいてほしいことがあります。
それは、「のに」からの脱出です。
「私は、あの人にあんなに親切にして尽くしてあげた〝のに〟、
助けてあげた〝のに〟あの人には感謝が足りない」誰でも、
こういうふうに、「のに」を使ったり、聞いたりしたことがあると思います。
世の中における人間関係のこじれやトラブルのほとんどには、
この「のに」がついて回るものです。
確かに、少しは「感謝してほしい」という承認欲求のようなものはあるでしょう。
しかし、あなた は見返りを求めてそうしたのではなく、
純粋な親切心からそうしたのだと思います。
あるなら、こう考えてみませんか。
あなたがしたことによって人が助かったという事実は、相手の反応は関係なく、
まず自分自身が満足を得ることができた。
この満足感を抱けただけでも十分ではないかと。
私は人間関係のもつれが生じた時やイラッとした時、自分の心の中、
深層心理に「のに」がないか探りを入れる癖を付けています。
②笑顔とあいさつは「した者勝ち」
人柄の良さとは、「愛嬌」「かわいげ」があることだと思います。
ですので、人柄を良くするための第一歩は日常生活を笑顔で過ごすことです。
笑顔が苦手な方もいるでしょう。
私もそうですので、今でも鏡に向かって笑顔の練習をしています。
「鍋ちゃん、調子どう?」「今日もいい男だね!」
なんて自分に話し掛けながらね(笑い)。
こうすると、自然と元気も出てくるんです。
また、あいさつも大切。
あいさつは「した者勝ち」だと思っています。
会話が膨らむ一言を添えられると、さらにグッドですね。
物語を作るのが仕事である〝作家の俳業〟の一つとして
「1日20人に話し掛けろ」という言葉があります。
ネタを仕入れるために多方面に目と耳を持てということです。
20人なんて、と思うかもしれませんが、ちょっとした工夫でいいんです。
例えば青果店に入ったら、黙って買い物をするんじゃなくて
「今日はどんな野菜がおすすめ?」
「これ、どうやって食べたらおいしい?」と聞いてみるんです。
そこから会話も発展します。
人の話を聞くということは、人間を学ぶということです。
その中で少しずつ相手の感情を察知して、
その場に合わせた言葉が掛けられるようになるでしょう。
③他人の揮(テーマ)で相撲を取れ
社会人になれば、コミュニケーション能力をはじめ、
さまざまな力が要求されていくでしょう。
しんどいなと思っても、ある程度の我慢が必要な時もあります。
でも、我慢しすぎて「苦行」になっでしまうのもお勧めできません。
そこで提案したいのは、自分の人生のテーマを持ってほしいということです。
テーマを持って仕事に向き合える人は、実現に向かう茨の道も、
苦行ではなく大切なプロセスと捉えることができ、挑戦も長続きさせられるからです。
作品にテーマ性が薄いと感じる漫画家を見ていると、
本人の生きるテーマもボンヤリしていることがけっこうあります。
「最近の若いやつは」と、ここで言いたいのではありません。
多くの人はテーマを持っていないというよりも、
自分の内面に有するテーマに気付いていないだけだったりするからです。
仕事に張り合いがない、テーマを探しても見つからないという人には
「他人の禅(テーマ)で相撲を取れ」とアドバイスをしています。
どういうことかというと、名作漫画にちりばめられたセリフから、
自分の言いたいことに一番近いものを探せばいいんです。
もちろん、漫画だけでなく、小説や映画だっていい。
自分の承認欲求や感情を乗せてみると、
きっと見えてくるものがあると思います。