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エビデンスにはレベルが…上手に活用してより良い人生を

社会

2020年1月以降、世の中は新型コロナウイルス関連の話題でもちきりですね。

未知のウイルスということもあり、SNSなどインターネット上では、真偽の疑わしい情報が飛び交いました。

「お湯でコロナを予防できる」
「ショウガがコロナに効く」
「花こう岩の放射線効果でコロナは死滅する」

…など。

ただ、じっくり読んでみると、お湯で殺傷といってもその温度は26~27度とのこと。

そもそもこの温度はお湯と呼べるのかどうか。
普通、消毒は熱湯で行いますから、こんな温度で消毒できないのは、冷静になれば分かることですね。

でも、こんなチョット冷静に考えればデマだとわかる情報がどんどん広まっていきました。

また、テレビなどにも多くの専門家が登場し、言うことが異なっていたために戸惑った人も多いのではないでしょうか。

私たちが知っておかなければいけないのは、「医学においては、専門家たちが、一見異なるような意見を述べることはよくある」ということです。

■重要だが絶対視しない

それじゃ何も信用できないじゃないかと思うかもしれません。

そこで大切になるのがエビデンス(科学的根拠)です。

エビデンスというのは、いくつかの、信頼性の異なる根拠のこと。

エビデンスがなければ、そもそも信頼するに足る情報ではありませんが、エビデンスがあるからといって絶対視できるものではありません。

■動物実験はランク外

一口にエビデンスといっでも、その信頼性のレベルはさまざまです。

基本的な6段階を低い方から見ていきましょう。

レベル6は「専門家の個人的な意見」。
専門家の考えであっても、具体的なデータに基づかなければ、一つの意見に過ぎません。

レベル5は「症例報告」。
特殊な症状や治療法などがあった場合、専門家の間で知見を共有したり議論するために利用されます。

レベル4は「症例対照研究」「コホート研究」。
過去にさかのぼって病気の要因などを探るのが症例対照研究、がんと喫煙の関係など、大規模かつ長期間の調査を行うのがコホート研究です。

レベル3は「非ランダム化比較試験」、レベル2は「ランダム化比較試験」です。

二つのクループに新薬と偽薬を与えて効果の違いを比較します。

一番信頼性が高いレベルーは「システマティツクレビュー」「メタアナリシス」。
複数の研究を統合して導き出す方法です。

よく、「動物実験で○○が証明された」というニュースがでます。
しかし、エビデンスからすると、動物実験はランク外レベル。
レベル6よりも信頼性は低いのです。

実際、動物実験で証明されても、その後の人を対象にした研究で否定されるケースは多いのです。

■その時点の一つの選択肢

こう述べてくると、何も信用できなくなりそうですが、そうではありません。

あくまでも、信頼度の低いレベルのエビデンスだけで判断してはいけないということ。

そのためにも、一つの情報源を信用するのではなく、論文を確かめるとか、公的機関の発表を調べるなど信頼できる情報源でダブルチェックをするようにしましよう。

調べるときの注意点として、複数の情報を比較して、いろいろな角度から見ることが大切です。

SNSなどネットで情報を見ていると、好きな情報にばかりアクセスしてしまうことがあります。

例えば新型コロナウイルスに関しても、医学的に正しいことを知りたい人は医師をはじめとする医療従事者をフォローしますが、政府に文句を言いたい人はそういう発言をしている人を、ワクチンを怖いと思っている人は副反応について発言しているような人をフォローしてしまうはず。

エコーチャンバー現象と言いますが、似ている考えの人ばかりになってしまい、偏っていること自体に気付きにくくなってしまうのです。

ちまたには、さまざまな健康情報があふれ、玉石混交の状態。

受け手の側かどのような情報を選び取るのかにかかっています。

エビデンスは重要ではあるけれども、絶対的なものではありません。

その時点での選択肢の一つとして、上手に活用して、有意義な人生を送っていくことが大切なのです。

 

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